2020.2.10更新
名古屋市を中心とする東海地域は、戦前は陶磁器や繊維産業、戦後は自動車産業が発展し、わが国ものづくりの中心地の1つとなりました。濃尾平野を後背地とし豊富な用地、用水、港湾を擁し、本土の中央に位置し交通の便に恵まれていたことに加え、時代や環境の変化するなかで、新しい事業に果敢に挑戦し、旧来産業の革新をはかってきた人的な要素も見落とすことができません。
今回のパネル展では、「ものづくり中部の革新者たち」をテーマに、中部の産業発展に尽くした産業人・技術者など革新的な人物に焦点を当てます。事業の創設・発展に取り組んだ開拓者や先覚者たちの果した役割や、時代への洞察力、苦難に挫けない不屈の精神、地域に対する郷土愛や使命感、あるいは技術開発への絶え間ない努力などを紹介します。時代が大きく変化するなか、明日の中部や産業の発展には、事業を改革し切り開いていった先人たちの営為や精神に学ぶところを紹介していきたいと思います。
主催:中部産業遺産研究会
共催:公益財団法人 名古屋まちづくり公社 名古屋都市センター
後援:名古屋市、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会
支援:公益財団法人 大幸財団「地域の学術文化振興助成」
「パネル展と講演会」についてのお問い合わせ先
担当:パネル展担当幹事(藤田秀紀)sobumigc5.so-net.ne.jp
※直接メールをする際は、を@に変えてください。
◆ 会 期:2020(令和2)年1月15日(水)~1月26日(日)休館日:1月20日(月)
◆ 開館時間:10:00~18:00 ただし土・日曜日は17:00まで
◆ 観覧料:無料
◆ 会 場:名古屋都市センター(金山南ビル内) 11階「まちづくり広場・企画展示コーナー」
※金山南ビルは、金山総合駅南口を出て右手の複合高層ビルです。
◇会場へのアクセスなど(問い合わせ先)
名古屋市中区金山町1丁目1番1号 金山南ビル内 名古屋都市センター
名古屋都市センターホームページ 電話:(052)678-2212
◆展示(パネル)内容 ※内容は変更になる場合があります
表の中の青色のものはパネルの内容を見ることができます。
1 ものづくりの革新実業家
2 ものづくり技術の革新者
3 ものづくり基盤の革新者
人 物 | タイトル | サブタイトル | |
1 ものづくりの革新実業家 | |||
1 | 5世伊藤小左衛門 | 世界に通用する生糸に改良 | 四日市の近代製茶業・製糸業の祖 |
2 | 初代神野金之助 | 資性温厚、夙に意を開墾事業に注ぐ | 大事業、神野新田の開発 |
3 | 山葉寅楠 | 美しき旋律を求めて | 西洋楽器の国産化 |
4 | 浅野吉次郎 | 職工に先んじて範を垂れる | ベニア合板の創始者 |
5 | 鈴木政吉 | 海外で評価された音色 | 華麗な日本のバイオリン王 |
6 | 林市兵衛 | アメリカ製量産時計に追いつけ追い越せ | 掛時計を国産化、明治のイノベーター |
7 | 盛田善平 | もう高い米なんか食わんでもいいぞ | ビールづくりとパンづくり |
8 | 田口百三 | 当代稀にみる達見の士 | 大規模製糸経営と優良蚕品種の創出 |
9 | 福沢桃介 | 木曽川の激流を止めた男 | 水力発電事業に賭けた生涯 |
10 | 大隈栄一 | 大いに経験を積み、技術を研きて | 製麺機から工作機械メーカーへ |
11 | 片岡春吉 | 舶来品を凌駕したセルヂス | 尾西毛織物業のパイオニア |
12 | 富田重助 | 地域の発展をリードした鉄道人 | 名古屋鉄道の創設者 |
13 | 大倉和親 | 最高の『もの』をつくりたい | 世界一のセラミックス産業の礎を築く |
14 | 岡本松造 | 「ムリ」「ムラ」「ムダ」をなくしたノーリツ号 | 自転車産業の先駆者 |
15 | 岡本桜 | 業界をリードした「ガス王」 | ガス事業のパイオニア |
16 | 17代早川久右ェ門 | 伝統の味を守り続けて | 味噌づくりに近代ボイラの導入 |
17 | 豊田喜一郎 | 準備はできたトヨタは邁進します | 日本人の頭と腕で自動車工業を確立 |
2 ものづくり技術の革新者 | |||
1 | 鯉江方寿 | 鉄道敷設と水道に真焼土管 | 常滑窯業近代化の礎を築く |
2 | 宇都宮三郎 | 最初の化学技術者になった最後の武士 | 学理実地応用により化学工業発展の礎を築く |
3 | 服部長七 | 石をつくったとんでもない男 | 人造石工法による土木事業の開拓者 |
4 | 臥雲辰致 | 発明益世、其業大慈 | 日本独創の技術、ガラ紡 |
5 | 小渕志ち | 名を馳せた明治の女性技術者 | 玉糸繰絲の先駆者 |
6 | 大岡正 | もう一意気、国家に奉公せん | 水力発電のパイオニア |
7 | 丹羽正道 | 電灯線を張りめぐらした男 | 中部地方の電力の夜明け |
8 | 豊田佐吉 | 障子を開けて見よ、外は広いぞ | 国産自動織機の発明にかけた生涯 |
9 | 鈴木禎次 | 時代を洋風建築で表現 | 名古屋をつくった建築家 |
10 | 寒川恒貞 | 独往邁進、独立独歩の気魄 | 本邦電気炉製鋼技術の開拓者 |
11 | 久保田長太郎 | クボチョウと慕われた鋳物の神様 | 鋳造用砂型造型機の開発 |
12 | 菅隆俊 | 世界のトヨタへ、基盤技術の確立 | 自動車製造の専用工作機械の開発 |
13 | 石川栄耀 | 商店街・盛り場は夜の公園だ! | 産業中心の都市計画から「夜の都市計画」へ |
14 | 榊秀信 | 名古屋に発明の鬼才あり | 国産初の16ミリ映写機の開発 |
15 | 安井正義 | 輸入産業を輸出産業に変える | 安井兄弟、執念の国産ミシン1号機 |
3 ものづくり基盤の革新者 | |||
1 | 安場保和 | 難治県の治政を託されて | 愛知殖産興業の司令塔 |
2 | 奥田正香 | 名古屋の渋沢栄一 | 奥田の息のかからぬ事業は成り立たぬ |
3 | 服部太郎吉 | 職人技で富を築く | 岡崎工業学校の創立に貢献 |
4 | 黒田豊太郎 | 名古屋港生みの親 | 第一期工事を設計した明治の技術官僚 |
5 | 上田敏郎 | 木曽川の水を名水に変えた | 名古屋上下水道の礎を築く |
6 | 柴田才一郎 | 尾三の地、工業の野はのぞみ豊けし | 愛知県立工業学校の初代校長 |
7 | 奥田助七郎 | 名古屋港の生き字引 | 港の発展に生涯を捧げた技術官僚 |
8 | 渋沢元治 | 捕雷役電;雷を捕らえ電気に役立てる | 名古屋帝国大学初代総長は電気技術者でもあった |
◆ 日 時:2020(令和2)年1月18日(土)午後1時~5時(受付開始 12時半)
◆ 会 場:名古屋都市センター(上記参照) 11階ホール
◆ 聴講料:無料
◆ 定 員:120名(先着順・定員を超えた場合、聴講をお断りする場合がござます。)
◆プログラム
第1部 講演会 午後1時
基調講演「名古屋地域における近代産業の発達」 | 講師 笠井 雅直 (名古屋学院大学現代社会学部教授) |
一般講演「日本の電力王・福沢桃介物語」 | 講師 寺沢 安正(会員) |
一般講演「愛知の産業教育に尽くした人々」 | 講師 石田 正治(会員) |
第2部 中部産業遺産研究会 公開定例研究会 午後4時20分